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過去のぐんま天文台談話会 #151-#160

(敬称略)

第151回 2009.1.20 18:00〜
板 由房 ( 国立天文台 )
「「あかり」を使ったAGB星の研究:2色図上での星と星周ダストの進化」

「あかり」衛星による、中間赤外(9,18µm)全天サーベイのテストカタログ、および遠赤外(65,90,140,160µm)全天サーベイのベータ版カタログが、チーム内に公開された。「あかり」の全天サーベイは、過去のIRAS衛星に比べて深さ、空間分解能共に優れており、多くのポイントソースが新検出された。この「あかり」全天サーベイカタログに、2MASS等の既存の全天サーベイカタログをマージしたデータを用いて、様々な色のコンビネーションを用いて2色図を作成した。また、ISO-SWSのスペクトルアトラスデータ(およそ1000天体分)に、「あかり」とIRASのシステムレスポンスをかけ、インバンドフラックスを求めた。この情報を用いることで、2色図上の位置から天体の種類、進化段階、Chemistry等を推定できる。講演では、過去のIRASデータを用いた2色図上での天体分類研究(van der Veen & Habing 1988)を念頭に置きながら、星の進化および星周ダストの進化が2色図上でどのように表現されるかを議論したい。また、上記のマージド度カタログとGeneral Catalog of Variable Starsのクロスコリレーションをとった。このデータを用いて、変光天体の種類別に2色図上での位置を調べ、それが何を意味するかについても議論を行いたい。

第152回 2009.2.3 18:00〜
石崎 昌春 ( 国立天文台 )
「国立天文台の広報・普及活動 - ウェブ管理と質問対応を中心に -」

国立天文台 天文情報センターは、天文学の成果の普及・啓発、市民生活に直結した天文情報の提供を目的として1998年4月に発足しました。記者発表やイベントの開催、アストロ・トピックス発行など天文情報センターが担当する業務を紹介するとともに、私が主に携わっている、ウェブの運営と一般の方からの質問への対応についての詳細をお話したいと思います。ウェブは年間延べ3000万ページ以上が閲覧されていますが、その利用状況や運営の苦労、様々な問題点などをお話します。質問は、電話で年に約7000件、インターネット・手紙で約650件いただきます。対応の体制やご質問の傾向、悩ましい質問などについてお話する予定です。

第153回 2009.2.17 18:00〜
梶野 敏貴 ( 国立天文台 )
「大望遠鏡が拓く素粒子的宇宙論 --- ビッグバン初期宇宙からニュートリノ振動、ガンマ線バーストまで」

宇宙の構造形成に必要不可欠な暗黒物質の正体は何であろうか? 最近、地上大望遠鏡による観測によって金属欠乏星に発見されたLi6元素のプラトーが、その鍵を握ると考えられる。暗黒物質の有力候補である超対称性粒子が、暗黒物質とビッグバン元素合成の謎を解決できるかどうかを議論する。また、温かい暗黒物質と呼ばれる3世代のニュートリノ間の振動現象を、超新星ニュートリノ過程で作られる元素量の相対比から精密に決定する天文学的な方法を提案する。 2005年にすばる望遠鏡HDSで発見された[Fe/H]=-5.4の超金属欠乏星の化学組成が、天の川形成初期のガンマ線バースト現象に起源を持つ可能性についても論じる。

第154回 2009.2.24 18:00〜
A. Dulmaa ( National University of Mongolia )
「Astronomical education in Mongolia」

The history, current situation, education and future directions of modern Mongolian space science and astronomy is reviewed. This presentation discusses recent efforts to develop astronomy education and research capacity in Mongolia.

第155回 2009.3.3 19:00〜
嶋作 一大 ( 東京大学 )
「銀河宇宙はこう進化した」

大型望遠鏡や宇宙望遠鏡の活躍により、遠方銀河の観測は過去十数年で急速に進展した。現在知られている最も遠い銀河は赤方偏移7.0にあるが、これはわずか 8億歳の宇宙に当たる。講演では、観測によって明らかになってきた銀河進化の全体像を、すばる望遠鏡で我々が得た成果も交えながら概観する。銀河は宇宙が数億歳の頃には誕生し、宇宙年齢 10-50億歳の頃に活動の最盛期を迎えたらしい。我々が生きている現在は銀河の成熟期である。講演では併せて、銀河宇宙の性質と、観測者である我々とのつながりにも触れたい。

第156回 2009.3.17 19:00〜
登坂 一彦 ( 群馬県教育委員会 )
「小・中学校新学習指導要領の趣旨と天文分野の授業づくり」

平成20年3月に改訂された小・中学校の学習指導要領では、子どもたちの「生きる力」をはぐくむことがますます重視されている。理科でも、 基礎概念の一層の定着や科学的な思考力、表現力の育成を図ることなどを重視して、目標及び内容の改訂が行われた。談話会では、理科についての課題と,それを踏まえた改訂の趣旨、目標及び内容の改善点を、小・中学校学習指導要領及び解説に基づいて説明したい。

第157回 2009.7.7 19:00〜
衣笠 健三 ( ぐんま天文台 )
「ぐんま天文台における新天体の観測」

来館者に150cm望遠鏡の説明をしているときに、しばしば「この望遠鏡で新しい星を見つけたりしているのですか」とよく尋ねられます。その際、「新しい星」というのはどういうものなのかを改めて確認をすることがよくあります。ここでいう「新しい星」、つまり「新天体」とは、それまでは暗くて認識されていなかった天体が、突然100倍以上に明るくなって発見された天体のことを指します。このような天体には、超新星、新星、矮新星、または、ガンマ線バーストなどが含まれます。ぐんま天文台ではこのような「新しい星」を捜索してはいませんが、発見された新しい天体をできるだけ早く観測することにより、その星の正体を解明する研究をしています。この講演では、実際の観測手法と最近の観測結果、さらにはそこで起こったエピソードなどをご紹介します。

第158回 2010.1.26 18:00〜
野澤 恵 ( 茨城大学 )
「茨城大学での太陽研究などの紹介」

太陽の浮上磁場について三次元のMHDシミュレーションを行ない、観測される現象との比較として、浮上後に太陽大気で水平方向に膨張してしまい、実際の太陽では多段階の磁気浮上が必要であることを明らかにした。また、このことを検証するために、京大飛騨天文台や「ひので」衛星のデータを扱い、観測にも興味を持つようになり、この数年では国立天文台乗鞍の共同利用にも参加している。これらを含め、茨城大学での太陽研究の紹介や、現在までに指導してきた学生の研究紹介なども行なう。

第159回 2010.2.23 18:00〜
Ramsey Guy Lundock ( 東北大学 )
「赤外線と可視光での惑星スペクトル・ライブラリ」

系外惑星の素性を知るためには太陽系天体を外から見た時にどのように観測されるかを知っておく必要がある。そこで我々は太陽系天体( 惑星、準惑星、衛星)を可視光から赤外線波長で同時に分光観測を行い、初めて系統的な太陽系天体の分光ライブラリを作った。さらに3色カラー( R, J, K )を用いることでガス惑星、氷惑星、土惑星を簡単に分類する方法を見つけた。しかし、金星など雲に覆われた土惑星はこの方法では分類できない。そこで、ぐんま天文台のGAOES分光器を用いて、比較的短波長( 0.3μm )までの可視光の観測を含むことで、それらを分類する方法を調べる。将来の系外惑星探査衛星(~TPFなど~)などで発見される惑星を簡単に分類する方法となることが期待される。

第160回 2010.6.1 19:00〜
山中 雅之 ( 広島大学 )
「超新星爆発の早期観測と多様性の研究」

90年代半ば以降、プロ・アマチュアによる超新星の早期発見の増加に伴い、爆発直後の間もない時期からの観測が可能となってきた。早期観測から超新星のパラメータを決定することができ、爆発メカニズムや親星について議論することができる。近年、従来の分類には当てはまらないような超新星やそもそも爆発メカニズムや親星のモデルでは再現できないようなものが確認されつつある。我々は広島大学1.5mかなた望遠鏡やぐんま天文台1.5m反射望遠鏡などを用いて近傍銀河に出現する超新星の早期観測を行っている。その中から新しく発見された超新星多様性について発表を行う。

講演者と題目の一覧

概要集: 1-10,  11-20,  21-30,  31-40,  41-50,  51-60,  61-70,  71-80,  81-90,  91-100,  101-110,  111-120,  121-130,  131-140,  141-150,  151-160,  161-170,  171-180,  181-190,

今後の予定