日本初の金星探査機「あかつき」の目的地「金星」を、ぐんま天文台の望遠鏡で観察してみませんか。金星は今、「明けの明星」として夜明け前の東の空に輝いて見えますが、望遠鏡を使えば昼間でも観察できます。望遠鏡で金星を観察すると、丸い星なのに、三日月や半月のような形に見えます。どのような形に見えるかは、観察する日により変わります。
金星の見え方の変化。早い時期に観察するほど、細長く見えます。
金星の見え方は中学3年の理科で学習することになっていますが、多くの学校では望遠鏡を使った金星の観察を行っていません(※1)。また、金星の見え方は584日(約1年半)周期で変化する関係で、来年度(2011年度)は細長い金星が見えません(※2)。この機会を逃さずに、観察することをお勧めします!!
(注1) 学習指導要領では体験的な学習(本物の観察)が重要とされています。望遠鏡を使えば昼間(学校の授業時間内)でも金星を観察できますが、昼間の観察は夜の観察に比べ技術的に難しいです。早朝や夕方であれば比較的簡単に観察できますが、学校の授業時間と一致しません。このため、ほとんどの学校では望遠鏡を使った金星の観察(満ち欠けの観測)が実施されていません。ぐんま天文台で観察してみませんか。
(注2) 2011年度は11月以降、金星が夕方の西の空に見えるようになりますが、この時はまだ「細長く」見えません。細長く見えるのは2012年の春以降となります。このため、いま中学2年生の方は、今回の観測チャンスを逃すと、在学中に金星の満ち欠けを観察することが困難になってしまいます。
細長く見える金星。2010年10月11日撮影。
天候不良の場合は観察できませんのでご了承下さい。現在のお天気はWebカメラの画像で確認できます。
「あかつき」は日本初の金星探査機で、金星の大気の謎を解明することを目的として2010年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。12月7日に金星に接近し、金星を周回する軌道に入る予定です。その後少なくとも2年間、金星の観測を続ける計画です。
金星は恒星のように自ら光を発するのではないため、月と同様に太陽の光が当たる部分だけが輝いて見えます。このため、太陽、地球、金星の位置関係により形が変化します。また、公転に伴い地球との距離も変化するため、見かけの大きさも大きく変化します。
惑星の位置と見え方の関係 |
地球を固定してみた場合 |