ぐんま天文台研究会「1〜2m望遠鏡による赤外線天文学」

会場:県立ぐんま天文台 映像ホール
日時:2002年2月4日(月) 〜 5日(火)

趣旨

地上からの赤外観測は、2次元アレイ検出器を使った観測装置の登場によって、特殊な観測手法ではなくなり、身近なものになっていきました。そして、検出器の主流も、256x256から1024x1024へと大フォーマット化が進む一方で、入手も比較的容易になっています。

このような2次元アレイを使った赤外観測は、これまで国や大学の研究機関の独擅場でしたが、公開天文台であるぐんま天文台でも、1.5m望遠鏡の主力観測装置として、HAWAIIアレイを用いた赤外カメラを立ち上げ、現在、本格的な研究を行うための試験観測を進めています。

また、国内の他の1〜2mクラスの望遠鏡でも、2次元アレイを使った赤外観測装置が計画中ですし、海外に目を向ければ、1.3mの専用望遠鏡を使った2MASSプロジェクトは全天のサーベイを完了し、名古屋大学も南アフリカ1.4m 望遠鏡で南天の赤外観測を進めています。

今回のぐんま天文台研究会では、このような1〜2mクラスの望遠鏡に2次元アレイを使った赤外観測装置が次々と立ち上がってくるという状況を背景に、これらの望遠鏡・装置・サイトの特性を生かしてどのような観測を進めていくか、お互いの協力をどう進めていくか、すばるをはじめとする大望遠鏡とどのように連携していくか、などのトピックスについて議論を深め、技術やノウハウの共有や共同開発、共同研究などについても展望していきたいと考えています。

主なテーマ

プログラム

2002年2月4日(月)

14:30-14:40古在由秀 (ぐんま天文台)あいさつ
14:40-15:10西原英治 (ぐんま天文台)ぐんま天文台の赤外カメラと空の観測条件
15:10-15:40中島康 (名古屋大学)名古屋大学の南アフリカ1.4m近赤外線望遠鏡+近赤外線カメラSIRIUS
15:40-16:10峰崎岳夫 (東京大学天文センター)MAGNUM 望遠鏡の現状
16:10-16:30休憩
16:30-17:00圓谷文明 (西はりま天文台)西はりま天文台2m望遠鏡と3色同時観測近赤外線カメラ
17:00-17:30藤井高宏 (国立天文台/鹿児島大学)鹿児島大学 1m光赤外線望遠鏡の現状とねらうサイエンス
17:30-18:00柳澤顕史 (国立天文台岡山天体物理観測所)岡山超広視野カメラによるK-band銀河面モニタ計画
18:00-18:30森淳 (国立天文台岡山天体物理観測所)岡山近赤外観測共同利用装置「ISLE」の開発
18:30-18:45Hakim L. Malasan (Bosscha Observatory)Near-Infrared Photometric Studies of Eclipsing Binaries and WR Stars    
18:45-19:15観望会 (晴れた場合)
19:30-懇親会 (わらび荘にて)

2002年2月5日(火)

9:30-10:00青木賢太郎 (東京大学天文センター)2MASSの現状
10:00-10:20太田耕司 (京都大学)UKIRT/WFCAMによる赤外サーベイ
10:20-10:50長谷川直 (宇宙科学研究所)1〜2m赤外望遠鏡による小惑星の観測
10:50-11:20橋本修 (ぐんま天文台)低温度巨星の質量放出の研究
11:20-11:35長谷川隆 (ぐんま天文台)散開星団の近赤観測でできそうなこと
11:35-12:05岩田生 (京都大学)Near-infrared Tully-Fisher Relation and Kinematics of the Local Universe
12:05-13:00休憩
13:00-13:30太田耕司 (京都大学)ガンマ線バーストをプローブとして探る宇宙の暗黒時代
13:30-13:45衣笠健三 (ぐんま天文台)ぐんま天文台におけるガンマ線バーストの観測に向けて
13:45-14:00奥田治之 (ぐんま天文台)こんな観測できるでしょうか?出来たら意味があるでしょうか?
14:00-14:30総合討論
14:30-施設見学 (希望者のみ)

ポスター発表

海老沢研 (INTEGRAL Science Data Center, NASA/GSFC)
Near Infrared Identification of the dimmest X-ray sources discovered with Chandra  

世話人

西原英治,橋本修,衣笠健三,田口光(ぐんま天文台),太田耕司(京都大学)

トップページへ 研究活動紹介へ