山形市在住のアマチュア天文家板垣公一氏が、2013年8月14日の23時頃、口径18cmの望遠鏡とCCDカメラを用いて発見した天体です。発見時の明るさは6.8等でした。
8月15日6時頃には、カナリア諸島ラ・パルマにある口径2mの望遠鏡によって分光観測が行われ、新星の初期段階であることが判明しました。6日の晩には4.4等まで明るくなり、17日には一旦4.9等まで減光したものの、翌18日の夜には4.8等まで再度増光し、その後はゆっくりとした減光が続いています。29日の時点ではおよそ6.5等の明るさなので、150cm望遠鏡を使えばしばらくの間は眼で見ることも可能です。
新星は、白色矮星(*)とその周りを巡るもう1つの星との連星系(*)で、相手の星から白色矮星上に降り落ちた物質が核反応を起こして突然明るく見えるものです。決して珍しい現象ではありませんが、これほど明るく見える天体はそれほど多くなく、2007年にさそり座に出現した最大光度3.8等の新星V1280 Sco以来となります。
発見以来、ぐんま天文台では150cm望遠鏡と高分散分光器(GAOES)を用いて観測を行っています。
GAOESで取得したスペクトルデータの生画像。左側に水素によるHα輝線がひときわ明るく広がって見える。