高分散分光器 (エシェル分光器)
Gunma Astronomical Observatory Echelle Spectrograph ( GAOES )

高分散分光器GAOESの写真

GAOES( Gunma Astronomical Observatory Echelle Spectrograph )は、ぐんま天文台の150cm経緯台式反射望遠鏡のナスミス焦点( f/12.2 )に設置された可視高分散分光器です。分散素子にはブレーズ角70.5度、31.2本/mm のエシェル回折格子が用いられ、次数分離には赤、青それぞれの波長域に適合した平面回折格子でできた二つのクロスディスパーザが用意されています。

コリメータとカメラ光学系は全て透過系のレンズで構成されており、光学系全体は温度管理された真空のチャンバーに収められています。

観測可能な波長域は 360 〜 1000 nm で、2048 × 4096 画素のCCD検出器を用いることによって、100nm程度の帯域を一度の露出で網羅することが可能です。スリットは 0.6 〜 4.0秒角に相当する幅のものが用意されています。検出器上の3.2画素に相当する標準的な1.0秒幅のスリットを用いた時には、およそ λ / Δλ 〜 70,000の分解能が達成されます。

高分散分光器 GAOES のスペック
波長域 360 - 1000 nm
分解能 70,000 ( スリット幅 1.0" , 3.2 画素 )
100,000 ( スリット幅 0.6" , 2.0 画素, 最大 )
スリット長 8 arcsec ( 720 μm )
検出器 e2V CCD44-82
15 μm × 15 μm 画素
2048 × 4096 画素
冷凍機冷却
読み出し MFront2 + Messia-V
読み出しノイズ3e-以下
方式 セミ-リトロウ
コリメータ レンズ方式
カメラ レンズ方式
エシェル回折格子 R = 2.8, 31.6 gr/mm
ブレーズ角( 71 deg )
クロスディスパーザ   (赤) 250 gr/mm ( ブレーズ角 600 nm, 4.5 deg )
(青) 400 gr/mm ( ブレーズ角 415 nm, 4.8 deg )
効率 > 10 %
限界等級 10等, S/N = 50, 2 hours
大きさ 1.37 m(D) × 1.74 m(W) × 0.9 m(H)
重量 〜 900 kg
製造 株式会社ジェネシア