皆既月食観察会 2011年12月10日〜12月11日
2011年12月10日(土)の皆既月食は、全国で月食の初めから終わりまでを観察できる絶好の条件となりました。ぐんま天文台でも皆既月食の説明会と観察会が行われ、650人以上の方が月食の観察を楽しみました。
月食の進行
2011年12月10日(土)
21:06
月食が始まる前の月。月食の夜は、必ず満月です。
このコーナーの一連の写真は、ぐんま天文台の観望棟で撮影したものです。撮影機材:赤道儀=EM10、カメラ=D40。
当日は午後6時頃に少し雲が出て、月と木星しか見えないような天気になった時もありましたが、天候は次第に回復し、月食の時間には快晴となりました。
21:44
部分月食の始まりは21時45分ですが、それ以前から、半影の影響で月が暗くなりはじめます。
部分月食とは、月の一部が地球の本影に隠される状態です。
月面上にある本影の部分からは、太陽は地球に隠され見えません。
本影の周囲には半影があります。
月面上にある半影の部分からは、太陽の一部分が地球に隠れて見えます。
22:25
月の中心まで本影に入りました。この頃になると、月明かりが弱まり、星空に見える星の数もだいぶ増えていることに気付きます。
左の写真では分かりませんが、実際に肉眼で観察すると、月の欠けている部分は暗い赤色に見えていました。
時折ふたご座流星群の流れ星も現れ、そのたびに観察会場からは歓声がわきおこりました。
22:58
まもなく皆既月食。写真でも、月の欠けた部分が赤く写っています。
このあたりから、撮影時に露出時間を長めに変更しています。以後も露出時間は一定ではありませんのでご注意下さい。
月明かりの弱まった星空には、天の川も見えるようになりました。
23:06
皆既月食が始まりました(23:05)。月面は、地球の影の中心に近いほど暗く、明るさは一様ではありません。
観察会場で皆既月食の始まりをアナウンスすると、参加者の皆様から拍手がおこりました。
23:32
今回の皆既月食で、月が地球の影の中心に最も近付いた瞬間です。月面はこの時が最も暗くなります。
今回の皆既月食では、月は地球の影の中心を通らないため、月面の明るさは対称とならず、地球の影の中心側(北側。写真では上側。)が暗くなっています。
月食の動画
月食の動画 (2.2MB)
地球の影の中を月が移動していく様子です。
会場の様子など

観察会場となった、ぐんま天文台の観測広場。
当日の気温は約0℃と冷えましたが、風が弱かったのが幸いでした。
観察会場では、肉眼による観察だけでなく、小型の望遠鏡(10cm屈折式×5台)と双眼鏡を使った観察も楽しんでいただきました。
肉眼での観察に加え当日の気温は約0℃と冷えましたが、風が弱かったのが幸いでした。
広場へと続く屋外の道路が凍結したため、深夜も会場へは本館内を通って移動していただきました。大型望遠鏡による天体観望の終了後(21時以降)も、2階展示室と1階映像ホールを休憩所として無料解放しました。
当日のイベント概要 : 皆既月食説明会・観察会
午後6時から行った皆既月食説明会は、定員を超過したため2回実施し、希望者全員が参加できるようにしました。
午後9時以降に来館された方は約650名。このほか、午後9時まで開催していた天体観望への参加者も多数いらっしゃいました。終日では1000人程度が来館したことになります。
当日は、大勢のボランティアの方に協力していただきました。ありがとうございました。

月が欠けるにつれ月明かりが弱まり、夜空に見える星の数は徐々に増え、天の川も見えるまでになりました。
左の写真で、上の方の小さな橙色の丸は、皆既月食中の月です。その下にはオリオン座の星々も見えます。