ポリャコフさんの宇宙授業（4）トイレ・おふろ・運動

　さて、私が持っているのは水を入れたバケツです（19）。宇宙ステーションの外に付いている特別なタンクから水を汲んで、それを運んでいるところです。この水は飲料水として使われます。とても冷たくておいしい水です。地上から届けられた水なので、それを飲むと地球のことを思い出します。

　これはトイレです。トイレでも掃除機の原理を使っています。ここでどうやって用を足すのかを見せてくれています（20）。ここで皆さんが見ているものは、いつか火星に向かって飛んで行くときのモデルでもあります。こうした施設は長年にわたってロシアの宇宙ステーション「ミール」で使われてきたものです。

　ミールにはサウナもあります（21）。長く過酷な任務を終えた後に入るサウナは気持ちよく至福の時です。

　無重力というのはとても面白い状態です。ただ、その状態で自分の体力を衰えさせないためには、一生懸命トレーニングしなければいけません。１週間運動をしないと身体が衰えてボロボロになってしまいます。ランニングベルトや手こぎ自転車もあります。要するに日常生活と同じで、一生懸命運動をしないと身体が弱って病気になってしまうのです。健康を守るということがどんなに大変なことか、見てて分かりますねみなさん（22）。

　こうして運動した時に出る汗を集めて、飲料水やその他の水として再利用しています。さて、この特殊な洋服は、地球上にいるのと同じような重力を与えてくれます。強力なゴムで上から下に引っ張られているので、常に重力を感じることができるのです（23）。この洋服は１日中着ていなくてはなりません。

　このズボンは、別のコスチュームですが、マイナス50気圧まで空気を抜いて、地上と同じ重力を感じることができるものです（24）。これを使って、宇宙から地球に戻った時の状態を検査したりトレーニングをすることができます。

　健康チェックのための血液検査も欠かせませんが、クルーはみんな採血が嫌いで、冗談でバンパイア（吸血鬼）というあだ名まで付けられてしまいました。