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[天文FLASH解説] 金星の太陽面通過

金星の太陽面通過

2012年6月6日の金星太陽面通過

金星が太陽の表面を横切って見える現象を、「金星の太陽面通過」といいます。2012年の次は2117年まで見られない、珍しい現象です。

見え方

「金星の太陽面通過」見え方のシミュレーション動画
動画を見るにはFlash Playerが必要です。

左の動画のように、金星が太陽の表面を東から西へと横切ります。

2012年6月6日の場合は次のような経過となります。

7時10分頃金星が太陽の外側に接する。
7時28分頃金星全体が太陽の内側に入る。
10時29分頃金星が最も太陽の中心に近づく。
13時30分頃金星の一部が太陽の外に出る。
13時47分頃金星全体が太陽の外に出る。

上記の時刻は前橋で観察した場合です。観察地点により時刻は少し異なります。

ぐんま天文台で観察しよう

当日、天気が良ければ、ぐんま天文台の太陽望遠鏡で観察ができます。観察できるのは、開館時刻である午前10時から、太陽面通過が終わる午後1時47分までです。

日食グラス(太陽観察メガネ)で見えるか

観察者の視力が良く、気象条件も良ければ、日食グラスで金星の太陽面通過が見えるかもしれません。観察する場合は次の点に注意してください。

なぜ珍しいのか (見えるための条件)

「金星の太陽面通過」見えるための条件のシミュレーション動画
動画を見るにはFlash Playerが必要です。

軌道の傾きは誇張して表示しています。

2012年から2117年までは早送りで表示します。

金星は太陽を約224日で一周し、地球は太陽を約365日で一周します。内側を周る金星の方が速く、約584日ごとに金星は地球を「内側で追い越す」ように動きます。しかし、毎回「金星の太陽面通過」が見られるわけではありません。

「金星の太陽面通過」が約584日毎に見られない理由は、金星の軌道面(動画では緑の丸)が地球の軌道面(動画では青い丸)に対して3.4度傾いているからです。「金星の太陽面通過」が見られるのは太陽・金星・地球が一直線に並ぶ場合に限られます。こうなるのは、金星の軌道面と地球の軌道面が重なる直線上(動画では赤い線)に、金星と地球がほぼ同時に来る場合に限られます。

動画を見ながら、時間を追って見ていきましょう。

  1. 2004年6月に、太陽、金星、地球がほぼ一直線に並び、金星の太陽面通過が見られます。この時は地球の方が金星よりもわずかに早く赤い線の上に来ます。地球からは、太陽表面の中心よりやや南側を金星が横切る様子が見られます。
  2. それから8年の間に、地球は太陽を8周、金星は約13周します。
  3. 2012年6月、再び太陽、金星、地球がほぼ一直線に並び、金星の太陽面通過が見られます。この時は金星の方が地球よりもわずかに早く赤い線の上に来ます。地球からは、太陽表面の中心よりやや北側を金星が横切る様子が見られます。
  4. その8年後は、金星が地球よりもだいぶ先に赤い線を横切ってしまうため、金星の太陽面通過は見られません。次に金星の太陽面通過が見られるのは2012年6月の105.5年後、2117年12月です。
  5. 2117年12月の金星の太陽面通過では、金星と地球の位置が、2004年や2012年と比べると、太陽の反対側となります。地球が金星よりもわずかに早く赤い線の上に来ます。
  6. それから8年の間に、地球は太陽を8周、金星は約13周します。
  7. 2125年12月の金星の太陽面通過も、金星と地球の位置が、2004年や2012年と比べると、太陽の反対側となります。この時は金星が地球よりもわずかに早く赤い線の上に来ます。
  8. その次に金星の太陽面通過が見られるのは2247年6月です。この時は2004年とほぼ同じ条件となります。
  9. 金星の太陽面通過は、その後2846年まで、-8年-105.5年-8年-121.5年-という間隔でおこります。

参考

「水星」の太陽面通過 (2006年) ‥‥‥ 水星は金星よりも小さく見えます。水星の太陽面通過は、金星の太陽面通過よりも頻繁におこります。