【解説アニメ】 火星の大接近、小接近

火星と地球の距離は常に変化していて、約2年2か月ごと(約780日ごと)に最接近します。公転軌道が楕円であるため、最接近の際、火星までの距離は毎回異なります。最接近のうち、特に大きく近づく「大接近」と、あまり近づかない「小接近」とでは、火星までの距離が約2倍異なります。大接近時の火星は、土星よりも大きく見えます。

アニメーションによる解説。地球と火星が太陽のまわりを公転しながら位置を変えることで、地球と火星の間の距離がどのように変化し、地球から見た火星の見かけの大きさがどのように変化するかを示している。地球と火星はおよそ2年2カ月ごとに接近するが、公転軌道が完全な円ではなく楕円であるため、最も接近した時の距離は毎回異なる。とくに、最接近時の距離が前回や次回より近くなる場合を大接近、遠くなる場合を小接近と呼ぶ。

地球と火星の軌道が近い所(アニメーションでは太陽の右側)で最接近すると「大接近」となります。大接近から次の大接近まで15年または18年(最接近7回分または8回分)かかります。

望遠鏡を覗いて楽しむなら、火星が大きく見える時期が良いです。最接近の前後数週間は火星の視直径がさほど変化しませんから、最接近当日にこだわらず、天気の良い日に観察してみましょう。

2020年10月6日の最接近(距離6207万km)は、2018年7月31日の大接近(距離5759万km)ほどではないものの、比較的よく近づきます。見ごたえは十分あるでしょう。次に2020年の最接近よりも火星が大きく見えるのは、2035年の大接近の時になります。

火星の大きさくらべ。最接近時の火星の大きさを比較。

「火星の大きさ比べ」(国立天文台提供)

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