150cm望遠鏡 化粧直し

望遠鏡の主鏡

6月15日、県立ぐんま天文台にある150cm望遠鏡の鏡が、鏡面の再蒸着作業のため5年ぶりに本体から取り外され、埼玉県にある光学機器メーカーの工場に運び込まれました。

再蒸着とは、鏡面の古い反射膜と保護膜を除去し、新たにアルミニウムの反射膜と、それを保護する膜をコーティングし直す、言わば望遠鏡の化粧直しといった作業。この作業で性能が新品同様に回復し、高度な性能をフルに引き出すことができるようになります。

ほこりの目立つ表面

再蒸着は今回で2回目となりますが、取り外した鏡の鏡面は反射膜が相当はがれ、付着したホコリもかなり目立っていました。鏡の下からライトで照らすと、反射膜が剥がれた部分は光が透過してしまい反射率が落ち、集まる光が損なわれる状態でした。

なんと言っても主鏡の直径は160cm(名称に使われている150cmは有効口径で、鏡自体は160cm)、厚さ25cm、重さも約1トンもあるため、取り外すだけで一苦労。鏡に傷をつけないよう慎重に作業が進められ、数日がかりの作業の末、無事に運び出されました。

7月の半ばには再蒸着の作業が完了し、反射鏡はマイホームの11mドームに戻ってくる予定です。これまで以上に観測や研究の場で活躍し、私たちに宇宙の謎や神秘を満喫させてくれることでしょう。

細心の注意をはらって進められる作業
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