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2005年3月31日未明に、日本各地でさそり座の1等星アンタレスが月に隠される「アンタレス食」が見られました。前回見られたのは1991年でしたので、今回は14年ぶりということになります。
月はおよそ27日で地球の周りを1回転しているため、地球から見ると月は恒星とは違う動き方をしているように見えます。毎日観察していると恒星の間を移動していくのがわかります。このとき、恒星の前を月が横切ると恒星が月に隠されることになります。このような現象を「掩蔽」(えんぺい)といいます。
ただ月が通る場所は決まっている(白道といいます)ため、隠される可能性のある恒星は限られています。特に1等星はおうし座のアルデバラン、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、さそり座のアンタレスとたったの4つしかありません。特にアンタレスは黄道から南へ少し離れているため、月が通る境界ぎりぎりとなりますから、条件よく観察できるのは珍しいことなのです。
ここしばらくはアンタレス食が起こる条件が続きますが、月の軌道のずれや掩蔽がおこる時間帯の関係から、次回アンタレス食が日本で条件よく見られるのは2023年になります。(2009年にもおこりますが昼間の出来事になります。)