2001年3月30日の太陽フレア

2001年3月30日の太陽フレア
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画像は、ぐんま天文台の太陽望遠鏡を使って撮影した太陽です。白色像は普通に見える太陽像、Hα像は水素原子特有の赤い光を捉えた太陽像です。白色像の右上方に見える大きな黒点は、1991年以来現れた最大の黒点で、活動領域(AR)9393と名付けられています。地球十数個が入る大きさがあります。活動領域は、Hα像では明るい領域として写ります。

活動領域上方のコロナでは、フレア(太陽面爆発)と呼ばれる急激なエネルギー放出現象が起こることがあります。今回の画像には見られませんが、Hα像では明るい点が急に現れ、数分から数十分で暗くなっていく現象として観測されます。フレアが発生すると、地球では地磁気嵐やオーロラ現象などが起こることがあり、また、衛星に機能障害を引き起こしたり無線通信などに悪影響を及ぼしたりすることがあります。

3月31日に領域9393でフレアが発生し、これに伴って太陽コロナから電離ガスが大量に放出されるコロナ質量放出(CME)と呼ばれる現象が起きました。この影響で、北海道では普段は見られないオーロラが現れました。また、CME発生後、リニア彗星(C/2001A2)が急に明るくなり、CMEによる衝撃波を受けてガスの蒸発が活発になった可能性もあるといわれています。これが事実かどうかは、今後の観測によって明らかになることでしょう。

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