高等学校の学習利用 - 利用内容
体験 (晴天時のみ)
内容 | 対象天体 | 適正人数 [c] | 所要時間 [d] | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
星空 | 恒星 | 星雲星団 | 銀河 | 惑星 [a] | 突発天体 [b] | ||||
目で見る | (1-1) 肉眼による観察 (星空観察) |
可 | 可 | 条 | 否 [e] | 条 | 条 | 40 | 20 〜 30 |
(1-2) 望遠鏡による観察 (天体観望) |
否 | 可 | 可 | 可 | 条 | 条 | 40 | 30 〜 60 | |
記録する 解析する |
(1-3) 星空の固定撮影 (三脚、デジカメ使用) |
可 | 可 | 条 | 否 [e] | 条 | 条 | 20 | 60 〜 120 |
(1-4) 星空の追尾撮影 (赤道儀、デジカメ使用) |
可 | 可 | 可 | 否 [e] | 条 | 条 | 12 | 60 〜 120 | |
(1-5) 望遠鏡を使う撮影 (デジカメ使用) |
否 | 可 | 可 | 可 | 条 | 条 | 12 | 60 〜 120 | |
(1-6) 望遠鏡を使う撮影 (冷却CCDカメラ使用) |
否 | 可 [f] | 可 | 可 | 条 | 条 | 12 | 60 〜 120 |
[a] 惑星は、観察・観測適期が毎年変わります。
[b] 彗星、超新星などの突発天体は、利用時間、光度、明るさ等の条件が整えば対象にできます。
[c] 適正人数は、各内容に割り当てられる最大人数です。同時に行うことも可能ですが、(4)(5)(6)については、いずれか2つの内容の組み合わせとなり、3つ同時には行えません。
[d] 所要時間は、適正人数で各内容に要する時間の目安です。(単位:分)
[e] M31(アンドロメダ銀河)に限り、秋冬に観察・撮影可能です。
[f] 6等級よりも明るい恒星は撮れません。
- (1-1) 肉眼による観察(星空観察)
- 「観測広場」などの屋外で、星空を仰ぎ見て観察します。
- (1-2) 望遠鏡による観察(天体観望)
- 150cm望遠鏡 : ドーム内で観察。天文台職員が操作。
- 65cm望遠鏡 : ドーム内で観察。天文台職員が操作。
- 観察用望遠鏡 : スライディングルーフを開け、星空の下で観察。生徒による操作も可能。
- 移動式望遠鏡 : 望遠鏡設置場に置いて、星空の下で観察。生徒による組み立て、設置、操作が必要。
- 生徒による操作等については、事前に(昼間)演習を行うことをお勧めします。
- (1-3) 星空の固定撮影(三脚、デジカメ使用)[g] [h]
- 「観測広場」などで、星空の下、星野(せいや)撮影を行います。
- 三脚、壁面や斜面などを利用してカメラを固定します。
- 星が線になって写ります。
- 三脚は数に限りがありますので、可能であれば持参してください。
- (1-4) 星空の追尾撮影(赤道儀、デジカメ使用)[g] [h]
- 観察用望遠鏡または移動式望遠鏡の赤道儀を使用して、星野撮影を行います。
- 星が点に写ります。
- 生徒による望遠鏡操作等については、その場で講習を行います。
- (1-5) 望遠鏡を使う撮影(デジカメ使用)[g]
- 望遠鏡にカメラを取り付けて(望遠鏡をカメラのレンズとして)、天体の撮影をします。
- 記念撮影から解析用画像の撮影まで、目的に応じて撮り方が変わります。
- 生徒による望遠鏡操作については、その場で講習を行います。
- (1-6) 望遠鏡を使う撮像(冷却CCDカメラ使用)
- 望遠鏡に天体撮影専用のカメラを取り付けて、解析用のデータを取得します。
- 事前に「画像の一次処理」と「測光」の演習を行うことをお勧めします。
- 生徒による望遠鏡操作と冷却CCDカメラによる天体撮像については、事前に(昼間)演習を行うことをお勧めします。
- データを記録するメディア(USBメモリ、SDカード等)をご用意ください。
[g] 撮影の仕方については、事前に天体撮影を意識したカメラの取り扱いを習得しておくことをお勧めします。(昼間に撮影演習を行うなど。)
[h] デジカメは、コンパクトでも一眼でも構いませんが、原則として持参してください。また、携帯電話やスマートフォンなどに付属のカメラは使用できません。
演習
内容 | 屋内 | 屋外 [i] | 適正人数 [j] | 所要時間 [k] | |
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解析演習 | (2-1) 画像一次処理 (解析用画像作成) |
可 | 否 | 20 | 120 〜 240 |
(2-2) 測光 (天体の明るさ測定) |
可 | 否 | 20 | 120 〜 240 | |
操作演習 | (2-3) 望遠鏡組み立て、設置等 (移動式望遠鏡使用) |
可 | 可 | 15 | 60 〜 90 |
(2-4) 望遠鏡操作、自動導入等 (観察用望遠鏡使用) |
可 | 可 | 15 | 30 〜 90 | |
(2-5) デジカメ撮影 (デジカメ使用) |
可 | 可 | 40 | 30 〜 60 | |
(2-6) CCDカメラ操作、撮像等 (冷却CCDカメラ使用) |
可 | 可 | 12 | 60 〜120 |
[i] 降雨、降雪、積雪、高湿度の場合は、屋内での実施になります。
[j] 適正人数は各内容に割り当てられる最大人数です。同時実施は不可です。
[k] 所要時間は、適正人数で各内容に要する目安の時間です。(単位:分)
- (2-1) 画像一次処理(解析用画像作成)
- 冷却CCDカメラやデジカメで取得した画像(天文台で用意した画像、または体験で取得した画像)を、科学的な測定が可能な画像にします。
- この演習を通して、デジタル撮影時に取得すべき画像の種類とその処理の仕方を学び、デジタル撮影機材の一般的な特徴を把握できます。
- 演習用にノートPC(OS:Windows)をご用意ください。1台への割り当て人数ができるだけ少なくなるようにご配慮ください。(理想は、1人1台。)
- 国立天文台で無償配布している画像解析ソフトウェア「マカリィ」を使用します。同ソフトを予めダウンロードし、演習用ノートPCにインストールしておいてください。マカリィをダウンロードできるサイト。
- 冷却CCDカメラで取得した画像は、天体観測で常用の「fits形式」で保存されています。
- デジカメで撮影した画像は、通常は「jpeg形式」で保存されますが、測定用には「raw形式」での保存が必要です。「マカリィ」は、raw形式ファイルを直接読み込めないので、raw形式からfits形式に事前に変換しておく必要があります。市販のソフトウェアやフリーのソフトウェアがありますが、それぞれ特徴がありますので、必要に応じてご相談ください。
- (2-2) 測光(天体の明るさ測定)
- 一次処理が済んだ画像を使って、天体の明るさを測定し、等級を求めたり、HR図を作成したりします。
- 天体観測で一般的に使われる解析手法を学び、データの扱い方を通して、自然科学の探究の態度や考え方に触れます。
- 他は(2-1)と同様です。
- (2-3) 望遠鏡組み立て、設置等(移動式望遠鏡使用)
- 可搬型の望遠鏡を組み立てて、設置・調整を行います。夜間実施の場合は、天体の導入と観察を行う「体験」活動と組み合わせることをお勧めします。
- 移動式望遠鏡は、架台と鏡筒をピラーに載せる構造です。
- 架台は赤道儀式です。メモリ環付ですので、裸眼では見えない天体の導入も可能です。
- 鏡筒は口径10cmの屈折式です。
- モータードライブ付ですので、天体追尾可能です。
- この演習のための特別な準備は必要ありません。ただし、冷え込むことがありますので、実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- (2-4) 望遠鏡操作、自動導入等(観察用望遠鏡使用)
- スライディングルーフ内の設置済の望遠鏡を、手動・自動操作します。夜間実施の場合は、天体の導入と観察を行う「体験」活動と組み合わせることをお勧めします。
- 架台は赤道儀式です。メモリ環はありません。
- 鏡筒は口径15cmの屈折式です。
- 自動で天体追尾します。
- この演習のための特別な準備は必要ありません。ただし、冷え込むことがありますので、実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- (2-5) デジカメ操作、撮像等(デジカメ使用)
- 星空や天体をデジタルカメラで撮影する方法を練習します。
- 機材の特性を知ることの大切さを知るとともに、習得した撮影技能を日常生活で活用することが可能です。夜間実施の場合は、固定撮影、追尾撮影等の「体験」活動と組み合わせることをお勧めします。
- デジカメは、コンパクトでも一眼でも構いませんが、原則として持参してください。
- 携帯電話やスマートフォンなどに付属のカメラはお勧めしません。
- (2-6) CCDカメラ撮影(冷却CCDカメラ使用)
- 冷却CCDカメラで天体を撮影する方法を練習します。
- 機材の特性を知ることの大切さを知るとともに、機材の扱い方を通して、自然科学の探究の態度や考え方に触れます。夜間実施の場合は、「体験」活動と組み合わせることをお勧めします。
- データを記録するメディア(USBメモリ、SDカード等)をご用意ください。
施設見学
見学場所 | 昼間 | 夜間 | 適正人数 [l] | 所要時間 [m] | |
---|---|---|---|---|---|
通常一般公開 | (3-1) 太陽望遠鏡スペース (太陽投影像等) |
可 [n] | 否 | 40 | 20 〜 30 |
(3-2) 11mドーム (150cm望遠鏡等) |
可 | 可 | 40 | 20 〜 30 | |
(3-3) 7mドーム (65cm望遠鏡等) |
可 | 可 | 40 | 20 〜 30 | |
(3-4) 観望棟 (観察用望遠鏡等) |
可 [n] | 可 [n] | 40 | 20 〜 30 | |
(3-5) 展示コーナー (パネル·模型·図書等) |
可 | 可 | 80 | 15 〜 60 | |
(3-6) 屋外モニュメント (ストーンサークル等) |
可 [n] | 否 | 40 | 20 〜 30 | |
(3-7) 観測広場·散策路等 (その他施設等) |
可 [n] | 否 | 40 | 20 〜 30 | |
通常非公開 | (3-8) 図書室 (欧文誌等) |
可 | 可 | 40 | 20 〜 30 |
(3-9) バックヤード (分光器室等) |
可 | 可 | 40 | 20 〜 30 |
- (3-1) 太陽望遠鏡スペース(太陽投影像等)
- 本館2階で、太陽の直接投影像(直径1m)、スペクトル直接投影像(長さ0.8m)、Hα像等を観察します。
- 太陽望遠鏡本体は本館屋上にあり、アクセスに危険を伴うため、見学できません。
- 直接投影ができない場合は、ディスプレイの過去動画やパネル等を用いた説明を行います。
- (3-2) 11mドーム(150cm望遠鏡等)
- 天文台職員が、11mドームで150cm望遠鏡と観測装置について説明します。
- ドーム内は外気温並なので、実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- 本館から屋外を経ずに移動できます。
- 望遠鏡や関連機器の動きをお見せすることはできません。
- (3-3) 7mドーム(65cm望遠鏡等)
- 天文台職員が、7mドームで65cm望遠鏡について説明します。
- 他は(3-2)と同様です。
- (3-4) 観望棟(観察用望遠鏡等)
- 天文台職員が、観望棟で観察用望遠鏡(小型望遠鏡群)について説明します。
- 実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- 本館から屋外を経ての移動になりますので、天候によっては実施できない場合があります。
- 望遠鏡や関連機器の動きをお見せしたり、少し触れてみる程度の操作体験をしたりできます。
- (3-5) 展示コーナー(パネル、模型、図書等)
- 本館2階で、様々な展示を見たり触れたり、休憩したりできます。
- 原則として自由見学です。
- (3-6) 屋外モニュメント(ストーンサークル等)
- イギリスの平原にある4,000年以前の遺跡「ストーンヘンジ」の中心部を、縮小・再現した「ストーンサークル」と、インドの約200年前の天体観測施設「ジャンタル・マンタル」の主要部分を縮小・再現した屋外モニュメントを見学し、天文台職員が解説します。
- 実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- ジャンタル・マンタルには階段がありますが、上らないでください。
- (3-7) 観測広場・散策路等(その他施設)
- 自然を感じ取れる屋外の施設を見学します。
- 実施時期に適した暖かい服装をお勧めします。
- (3-8) 図書室(欧文誌等)
- 一般来館者には非公開の施設です。
- 欧文論文誌、教科書等を手にとって見ることができます。
- 論文出版の意味や出版されるまでの過程について、天文台職員が解説します。
- (3-9) バックヤード(分光器室等)
- 一般来館者には非公開の施設です。
- 太陽望遠鏡の分光器室、150cm望遠鏡の制御室と機械室、工作室などを見学します。
- 見学を考慮していない施設ですので、人数が入れない場所があります(太陽分光器室:最大5名、など)。
- 保守・管理等のため、見学できない場合があります。
講義
天体観測の手法、最新の天文学、天文学の歴史など、科学の一分野としての天文学について、さまざまな話題を提供します。
その他 (天候不良等)
内容 | 適正人数 [o] | 所要時間 [p] | |
---|---|---|---|
工作・観察 | (5-1) 簡易分光器製作・光源観察 | 40 | 20 〜 30 |
工作・観察 | (5-2) 3Dシアター (恒星・銀河分布図投影) |
60 | 40 〜 90 |
(5-3) 星空案内 (季節の星空投影) |
60 | 20 〜 60 |
- (5-1) 簡易分光器製作・光源観察
- ぐんま天文台オリジナルの「簡易分光器キット」を組み立てて、各種光源を観察します。
- 簡易分光器は、透過型回折格子を使った、紙製の分光器です。
- 予め回折格子を貼っておいた台紙を折り曲げ、セロハンテープで固定して紙箱を作ります。回折格子を自分で貼ることもできます。
- (5-2) 3Dシアター(恒星・銀河分布図投影)
- 国立天文台制作のソフトウェア「Mitaka」を使用して、観測で得られた恒星や銀河の立体分布図を俯瞰しながら、<地球から宇宙の果てまで>の科学的宇宙像の概観を得られます。
- 偏光板を利用した「立体めがね」を配布・回収します。
- (5-3) 星空案内(季節の星空投影)
- フリーのソフトウェア「ステラリウム」を使用して、季節の星空を眺めます。
- 代表的な星座や星の並びを紹介します。
- 太陽や月、惑星の動きを見ることができます。
- 地球以外の太陽系の天体(月、土星の衛星ミマスなど)から見上げた星空を再現することもできます。