星形成領域 M42 (オリオン大星雲)

オリオン大星雲(可視光)

観察用望遠鏡 BRC250 (25cm反射式) にデジタル一眼レフカメラ Nikon D70 をとりつけて撮影
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150センチ望遠鏡の液体窒素冷却CCDカメラで撮影したオリオン大星雲の中心部分(トラペジウム周辺)

150センチ望遠鏡の液体窒素冷却CCDカメラで撮影、三色合成。1枚目の画像(BRC250で撮影)の中央に写っている星雲の中心部分(白く潰れている部分)を拡大している。 高解像度で見る

150センチ望遠鏡の近赤外線カメラで撮影したオリオン大星雲の中心部分(トラペジウム周辺)

赤外線の3原色ともいうべき、波長1.2ミクロン(J)、 1.6ミクロン(H)、2.2ミクロン(Ks)の3つのバンド (色) で得られた画像を、波長の短い順に青・緑・赤に対応させ、本来目で見えない赤外線をカラー写真のように疑似合成したもの。 高解像度で見る

オリオン大星雲は、現在でも活発に星が生まれている領域で、1500光年の距離にあり、その広がりは25光年におよびます。2つ目の画像のほぼ中央にある4個の明るい星はトラペジウムと呼ばれ、若い星の群れであり、その周囲に散らばる多くの星の大部分は、分子の雲の中に埋もれた生まれて間もない小質量の星で、温度が低く、赤外線でしか見えません。また、トラペジウムの右上の赤い領域は、オリオン大星雲の中でも最もガスの密度の高い場所で、赤外線でしか見ることができません。ここでは、太陽の30倍にもおよぶ巨大原始星から吹き出す高速のガスが周囲の分子雲のガスと衝突して衝撃波を作り、水素分子を光らせていると考えられています。水素分子などの出す光を観測できるのも、赤外線による観測の大きな特徴の一つです。