金星の公転軌道を作図しよう

中学3年の理科では、惑星についての学習があります。ぐんま天文台では金星について次のような教材を作りました。機会があればご利用ください。

金星の位置(太陽からの離角)と視直径を観測し、金星の公転軌道を描けます。

方法
観測する量

金星の視直径は、地球から金星までの距離に反比例することを利用します。

観測者(地球)の位置を方向を基準に、太陽からの離角で方向を、視直径で距離を求め、金星の位置をプロットします。

データ
作図に必要なデータ

自分で観測を行わない場合、作図に必要なデータはこの図のみです。

望遠鏡を使って撮影した金星の画像、観測日、金星の位置(太陽からの離角)が記されています。

どの写真も同一の機材を使って(同じ倍率で)撮影してあるため、視直径の違いは金星までの距離の違いに対応しています。

計算結果
観測データから金星の軌道を作図する方法

まず、地球の位置と太陽の方向を定めます。

次に、基準とする観測日を1つ選び、太陽からの離角を考慮して、この日の金星の位置を描きます。この時、金星までの距離は決められないので、任意の長さとします。

続いて、他の観測日のデータをプロットします。金星までの距離は基準とした日の何倍になるか、視直径を考えて決めます。

左の図で金星の軌道が楕円から外れているように見えるのは、測定値に誤差があるためです。

参考データ
観測データと参考データ まとめ
撮影日 2010年 8月21日 2010年 9月10日 2010年 10月11日 2010年 12月27日 2011年 1月5日 2011年 2月20日 2011年 4月24日 2011年 6月4日 2011年 10月27日
太陽からの離角 46° 44° 26.5° 西 46° 西 46.5° 西 42.5° 西 30° 西 20° 19°
画像直径測定値(mm) 19 24 38 22 19 11 9 7.5 7.5
金星までの距離 (10月11日基準) 200 158 100 173 200 345 422 507 507
実際の地心距離 (AU:天文単位) 0.676 0.52 0.32 0.579 0.647 0.99 1.396 1.591 1.591
視直径の理論値 (10月11日基準) 18.0 23.4 38.0 21.0 18.8 12.3 8.7 7.6 7.6