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過去のぐんま天文台談話会 #171-#180

(敬称略)

第171回 2011.3.6 19:00〜
宮崎 聡 ( 国立天文台 )
「すばる望遠鏡用新型カメラ Hyper Suprime-Camで探るダークエネルギーの謎」

Hyper Suprime-Cam (HSC)は国立天文台が国内外の諸機関と共同で開発している、すばる望遠鏡用のデジタルカメラです。 望遠鏡が大きいのでカメラも大きく、立てかけると人の背よりも高くなり、重さは3トンもあります。カメラは、レンズ・フィルター・シャッター・光センサーで構成されています。光センサーは新開発の高感度CCDで、合計約8億7000万画素を有します。第一レンズの直径は約82cmで、レンズ筒の長さは165cmあります。HSCは一度に広い天域を撮影することでき、新しい天体や現象を探査するような研究に力を発揮します。その中で、暗黒物質の分布の直接観測を通じて、暗黒エネルギーの謎に迫る研究を紹介します。

Hyper Suprime-Camの紹介

第172回 2012.9.4 19:00〜
前原 裕之 ( 京都大学 )
「太陽型星のスーパーフレア」

太陽フレアは太陽大気中で起こる爆発現象で、10年に1回程度の頻度で起こる大きな太陽フレアでは、10^32 erg程度のエネルギーが解放され、現代の文明社会に様々な影響を与えることが知られている。我々のグループは、太陽系外惑星のトランジットの観測などを目的として2009年に打ち上げられたケプラー衛星の観測データから、太陽と似た温度の主系列星で、最大級の太陽フレアの1000〜10000倍ものエネルギーを放出する「スーパーフレア」を多数検出した。談話会では、スーパーフレアのエネルギーと発生頻度の関係の他、スーパーフレアを起こす星の持つ特徴とフレアの頻度やエネルギーの相関について紹介する。

第173回 2012.10.2 19:00〜
松田 利道 ( 放送大学 )
「おうし座RV型変光星の分光観測について」

おうし座RV型変光星に属するヘルクレス座AC星とおうし座RV星の2個の星に関する分光観測の結果を報告する。

過去にもこれらの星に関して分光解析が行われているが、その結果得られた化学組成にはばらつきが見られている。その違いを調べることと、おうし座RV型変光星の化学組成異常(金属欠乏性)に対する3つの仮説について正否を決めることの二つが、研究の目的である。県立ぐんま天文台のGAOES 分光器を用いて得られた副極小光度付近のスペクトルを成長曲線法で解析した結果と過去の解析との比較について述べる。できれば、RV Tau型変光星に関する最新の研究とぐんま天文台を利用させて頂いて今後の観測計画についても触れたい。

第174回 2012.11.6 19:00〜
田邉 健茲 ( 岡山理科大学 )
「新星の分光観測とその周辺」

もともと教育用として始めた岡山理科大学・21号館屋上( 現在、正式名称は岡山理科大学天文台 ) 、ならびに筆者の自宅の天文台は、岡山県南部の天文観測に適した気候と、観測装置の進歩・軽量化および経験の積み重ねにより、口径20cm - 30cmの望遠鏡で十分に専門的な( 第一線の )天文観測ができるようになりました。特に近年は新星( Nova )の分光観測が海外でも評価されています。この講演では得られた成果、新星に関する話題、ならびに観測装置や観測法などの技術的な面も併せて紹介します。

第175回 2012.12.4 18:00〜
伊藤 洋一 ( 兵庫県立大学 西はりま天文台 )
「「西はりま天文台」の現状と将来」

「西はりま天文台」は「ぐんま天文台」と並び称される県立の天文台です。昨年度までは個性豊かな園長に率いられてきました。ところが、今年度になり大きな変化がふたつありました。それは「兵庫県立大学への移管」と「園長の交代」です。そこで、西はりま天文台の現状と将来の計画について、ざっくばらんに話したいと思います。また、社会普及活動と研究との両立や、広報活動の問題点など、私が日頃感じていることについても議論したいと思います。

第176回 2013.2.5 18:00〜
岡崎 彰 ( 群馬大学 )
「ベトナム史書に見られる天文記事について」
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19世紀以前のベトナムの史書は、中国や日本・韓国と同様に漢文で書かれており、そこには天文現象に関する記事も少なからず含まれている。ここでは、計算によって再現可能な現象(「日食」「月食」「惑星現象」等の記事を取り上げる。再現結果と各記事の内容を比較して信頼度を吟味した上で、ベトナム暦と中国暦との関係、史書の一部記事の年代特定、日の境界に対する当時の人々の認識などについて考察する。

※なお、この講演は岡崎彰教授の退官を記念するものでもあります。

第177回 2013.3.5 19:00〜
Hanindyo Kuncarayakti ( 東京大学 )
「Integral field spectroscopy of nearby supernova explosion sites: constraining mass and metallicity of the progenitors」

In the recent years, a number of supernova progenitors have been recovered in pre-explosion archival images and characterized. Despite the discoveries, most of the progenitors of supernovae are still uncertain and theoretical predictions are still need to be confronted with more observational evidences. Thus far only a handful of type II supernova progenitors have been obtained, and no detection of type I supernova progenitors. In addition to attempting direct detections of the progenitors, investigations on the local environments of the supernovae has proven to be very useful in providing clues about the nature of the progenitors. Association of supernovae with star-forming regions suggests that type Ic supernovae arise from the most massive progenitors. For the hydrogen-poor supernovae Ib and Ic, metallicity is an important parameter of the progenitor star. Metallicity-driven wind has been suggested as one possible mechanism for the removal of the hydrogen envelope, suggesting that Wolf-Rayet stars are one of the most likely progenitors.

In this work, integral field spectroscopy using UH88/SNIFS and Gemini/GMOS is used to obtain spatial and spectral information of nearby core-collapse supernova sites, providing an insight never obtained before into the immediate environments and the parent stellar populations of the progenitor stars. The age and metallicity of the parent stellar population of the SN progenitor were derived from its spectrum, which in turn gives age and metallicity estimate of the coeval SN progenitor. Since the evolution, hence age, of a star is mainly governed by its initial mass, this provides an strong constraint to the mass range of stars that can produce a particular type of supernova. In this study it was found that supernovae type Ic might have been produced by progenitors which are more massive and metal rich compared to supernova type Ib progenitors, and some of the type II SN progenitors may have been as massive as Ib/c progenitors. It was also found that possibly some Ib/c supernova progenitors are less massive than the Wolf-Rayet mass limit ( 25 Msun ), suggesting that they might have lost their hydrogen envelope via binary interaction. This further strengthens the contemporary notion of the existence of both single and binary Ib/c progenitors and the importance of binarity in the evolution of massive stars.

第178回 2013.7.2 19:00〜
秋山 昌俊 ( 中央大学 )
「II Pegのフレア観測:X線と可視光測光分光観測」

中央大学ではX線衛星、光学望遠鏡、MAXIを用いて星のフレアの研究を行っている。星で起こるフレアは太陽のフレアより桁違いに大きく、その構造は太陽ほどわかっていない。フレアの構造を知るには、多波長同時観測により統一的に理解する必要がある。我々は、よりフレアの発生頻度が高く、過去 X 線で最大級のフレアを起こした事のある天体、RS CVn型連星II Pegに注目して観測を行ってきた。2012年11月に光学望遠鏡の測光と分光で、2013年1月にはX線とHα線でフレアを捉えることに成功した。本講演では、昨年より行っていたII Pegのフレアの観測解析結果について講演する。

第179回 2013.9.3 19:00〜
谷川 清隆 ( 国立天文台 )
「古代・中世の日食と長期自転変動」

歴史天文学は過去の天文記録を使って現代科学を行う学問分野である。(定義からすると、一般の天文学は歴史天文学に含まれてしまう!) 谷川は相馬充、上田暁俊らと協力して、歴史天文学の研究として、過去の日食記録を使って地球の長期(3000年)自転変動を精度よく決める努力を10年以上続けてきた。講演では、
(1) 先行研究者の到達点、
(2) 講演者らの動機、
(3) 講演者らの目標、
(4) いままでの成果、
(5) 副産物、
などについて述べる。

キーワード:
人類の文明時間スケールで時刻目盛りを刻む現象や手法(C14による年代、年輪や年縞)。太陽活動周期。100年から1000年周期の気候変動。地球自転変動の短周期成分(100年から数百年)。自転変動の原因。複数日食による地球時計遅れΔTの決定。

第180回 2013.10.1 19:00〜
福島 英雄 ( 国立天文台 )
「学術的に貢献できる彗星観測について」

彗星の物理的研究では、数多くある不思議な現象を解明するために、第一に観測することが重要である。しかし、彗星観測は、特に明るい期間では観測高度が低く、良好なデータを得る観測はたいへん難しい。研究目的別に観測手法は、分光観測, 偏光観測, 光度観測, 位置観測, 核近傍の微細構造の変化を捕える観測, 尾の形状変化の観測など、たくさんの分野がある。これらの観測で、いかに効率よく精度のよいデータを得られるかを、私の長年の経験にて、詳しく解説したい。その他、明るくなり立派な尾が見られそうなアイソン彗星( C/2012 S1 ) の今後の見え方について、私なりの予想を紹介する。

講演者と題目の一覧

概要集: 1-10,  11-20,  21-30,  31-40,  41-50,  51-60,  61-70,  71-80,  81-90,  91-100,  101-110,  111-120,  121-130,  131-140,  141-150,  151-160,  161-170,  171-180,  181-190,

今後の予定