ぐんま天文台研究会「エシェル時代の高分散分光観測」

会場:県立ぐんま天文台 映像ホール
日時:2001年2月26日(月) 〜 27日(火)

趣旨

岡山188cm望遠鏡に設置された最新のエシェル分光器HIDESは、すでに共同利用の主力としての活躍を開始しており、新しい観測成果を次々に生み出すようになってきている。 ハワイすばる望遠鏡のHDSの試験観測も現在順調に進行しつつあり、その威力が存分に発揮される日も遠いことではない。 また、県立ぐんま天文台でもエシェル回折格子を使ったナスミス分光器が製作中であり、2001年の早い段階で観測を開始する予定である。今日、我々の周辺では、最新のエシェル高分散分光器が続々と観測可能な状況となってきている。

この様な状況下で、HDSを用いた天文学についてはこれまで多くの研究会などが開かれ、かなりの議論がなされてきた。 しかし、国内の装置を用いた研究に重点を置いた議論は今一つ不十分であったように見受けられる。そこで今回は、あらためて関連する分野の研究者で集まり、特に国内装置での腰を据えた観測を中心に議論をする機会を持つこととした。

各装置の個性や、解析処理までを含む関連技術の特徴を見極め、その共通点や相違点を考慮したうえで様々な問題点を明確にし、具体的な観測・研究に反映させ、それぞれの装置の威力を最大限に発揮させることを目的とする。最近の各観測装置個別の進展を参考にしながら、技術やノウハウの共有や共同開発、共同研究などの展望も議論した。

プログラム

2001年 2月26日(月)

14:30古在 由秀開催地挨拶
14:35橋本 修ぐんま天文台のエシェル分光器GAOES
14:50泉浦 秀行岡山HIDESの諸問題
15:15野口 邦男HDSの搬入から性能試験観測まで
15:35青木 和光すばるHDSの特色と初期観測
16:00休憩、ポスターセッション
16:30増田 盛治HIDES 制御系について
16:50田実 晃人イメージローテータを用いたHIDESでの観測とデータ解析
17:10木全 理恵太陽スペクトルを用いたEchelle Blaze Functionの補正
17:30田村 眞一拡がった輝線天体の高分散分光観測
17:50比田井 昌英円盤矮星/巨星の大規模観測の可能性
18:10終了
19:00懇親会( 於 国民宿舎わらび荘 )

2001年 2月27日(火)

08:40事務連絡
08:50飯島 孝IRAFを使ったエシェルスペクトルの解析法
09:10H.L. Malasanコメント( short comment )
09:20神戸 栄治ヨードセルの開発と星震学の可能性について
09:40佐藤 文衛恒星視線速度精密測定による太陽系外惑星探査
10:00磯貝 瑞希高分散分光観測による共生星の高電離領域の研究
10:20休憩、ポスターセッション
10:40増田 盛治HIDES による SPBs の線輪郭変動の観測
11:00定金 晃三エシェル分光器で拓く化学特異星研究の新領域
11:20西村 昌能ESO NTT EMMIで得られた高分散エシェルスペクトルによるコバルト特異星HR5049の解析とその実際
11:40大久保 美智子スペクトル解析によるHR7373の金属量
12:00昼食
13:00本田 敏志HDSでの金属欠乏星の観測
13:20川野元 聡HDSによる星間物質中の7Li/6Li比
13:40竹田 洋一 恒星分光観測による銀河系ディスクの化学進化の研究
14:00議論/総括   問題点、展望、今後の開発・研究の進め方 等々
15:00終了 解散

ポスター講演

吉岡 一男RV Tau型星の高分散分光観測の成果
田口 光ぐんま天文台1.5m望遠鏡とエシェル分光器GAOESの現状
H.L. MalasanThe Bosscha compact spectrograph

 世話人

橋本 修、田口 光 (ぐんま天文台)、青木 和光 (国立天文台)、神戸 栄治 (防衛大学)、泉浦 秀行 ( 国立天文台 岡山 )

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