ワークショップ「第2回 ぐんま天文台における天体物理学」
ぐんま天文台は、1999年7月21日に全面開業しました。メインとなる150cm望遠鏡の眼視レベルでの立ち上げは終了していましたが、研究観測レベルでの立ち上げには製作中のエッシェル高分散分光器や近赤外線カメラの完成を待たなければならない状況にありました。近く完成する予定のこれらの装置を使ってどのような観測研究が可能となるか、また、他の研究施設等とどのような連携観測が可能であるかを中心に、次のようなテーマ設定で、2000年2月28〜29日に研究会を開きました。会場はぐんま天文台の映像ホールでした。
- ぐんま天文台の観測研究への期待
- ぐんま天文台が目指すサイエンス
・太陽系天体観測
・突発天体(γ線バースト等)観測
この研究会には約60名の参加者があり、各々からぐんま天文台に対する熱い期待と今後の進むべき方向性や連携可能性について貴重なご意見や示唆をいただきました。
特に、ぐんま天文台の特徴である望遠鏡や観測装置の柔軟な運用性に対する期待は大きく、その代表的観測分野としてのγ線バーストについては、我々も今後の観測について真剣に対応していきたいと考えています。
プログラム
1. ぐんま天文台の観測研究への期待 (2/28 13:00-18:20)
13:00-13:40 | 土居 守(東京大) | 「Sloan Digital Sky Survey and the GAO 1.5m telescope」 |
13:40-14:20 | 久野 成夫(NRO) | 「近傍銀河の近赤外観測」 |
14:20-15:00 | 片岡 淳(ISAS | 「γ線ブレーザーの多波長同時観測と時間変動の統一的描像」 |
15:00-15:20 | 長谷川 隆(ぐんま天文台) | 「系外銀河の内部観測の予定」 |
15:20-15:40 | 休憩 | |
15:40-16:20 | 長田 哲也(名古屋大) | 「近赤外線撮像装置での観測とプラスアルファ」 |
16:20-17:00 | 林 左絵子(Subaru) | 「2m級+8m級のタイアップによる宇宙探求のイメージ」 |
17:00-17:40 | 泉浦 秀行(OAO) | 「岡山1.9m鏡とHIDES」 |
17:40-18:00 | 橋本 修(ぐんま天文台) | 「GOESの進捗状況とぐんまでねらう恒星天文学」(仮) |
18:00-18:20 | 奥田 治之(ぐんま天文台) | 「公共天文台における観測研究について」 |
18:20-19:00 | | 150cm望遠鏡による観望会 |
19:00- | | 懇親会 |
ポスターセッション
吉岡 一男(放送大学) |
「ぐんま天文台と放送大学の関わりについて」 |
軽部 智一 (群馬大) |
「食連星 YY Eri の公転周期変化 − 小型望遠鏡と空冷可視CCDカメラによる観測研究の一例として−」 |
林 忠史(富山市文化センター) |
「富山市天文台の観測装置群と観測の現況と今後」 |
M.R.Hidayat(マレーシア BAKSA) |
「IN-SITU CCD TESTING PROGRAMME AT BAKSA OBSERVATORY」 |
H.L.Malasan 他(ぐんま天文台) |
「Basic Photometric Parameteres at GAO」 |
浜根 寿彦 他 (ぐんま天文台) |
「ぐんま天文台の太陽望遠鏡」 |
2. ぐんま天文台が目指すサイエンス
今回は特に、以下のテーマに焦点を当て、他のミッションと絡めて、連携、協力を考えながら、ぐんま天文台で可能な観測提案とその重要性について議論することを考えました。
A. 太陽系天体観測 (2/29 9:00-12:00)
9:00-9:40 | 佐藤 毅彦(東京理科大) | 「可視・近赤外領域の偏光撮像観測で探る木星雲層構造」 |
9:40-10:00 | 木下 大輔(東京理科大) | 「エッジワース・カイパーベルト天体の光学観測」 |
10:00-10:20 | 休憩 | |
10:20-11:00 | 矢野 創(ISAS) | 「惑星探査における公開天文台への期待 --- 将来小天体探査ミッションの支援観測を中心に ---」 |
11:00-11:20 | 古荘 玲子(理研) | 「可視および近赤外偏光撮像観測で探る彗星ダストの分布・組成」 |
11:20-11:40 | 河北 秀世(ぐんま天文台) | 「県立ぐんま天文台における太陽系天体の観測的研究」 |
11:40-13:00 | | ランチタイム+ポスターセッション |
ポスターセッション
縣 秀彦(NAO 三鷹) | 「SGG(Subaru,Gemini,and Gunma) EKBOs search project」(仮) |
B. 突発天体(γ線バースト等)観測 (2/29 13:00-17:00)
13:00-13:40 | 松岡(NASDA)/吉田(理研) | 「γ線バーストのアフターグロー」 |
13:40-14:20 | 戸谷 友則(NAO) | 「γ線バーストフォローアップ観測の現状と今後」 |
14:20-14:40 | 小林 史歩(阪大) | 「γ線バースト残光と小型望遠鏡」 |
14:40-15:00 | 鈴木 素子(お茶の水大) | 「γ線バーストの時系列解析」 |
15:00-15:20 | | 休憩 |
15:20-16:00 | 綾仁 一哉(美星天文台) | 「美星天文台における突発天体観測」 |
16:00-16:20 | 衣笠 健三(ぐんま天文台) | 「ぐんま天文台におけるγ線バースト可視光対応天体捕捉計画」 |
16:20- | | Conclusion |
ポスターセッション
浦田 裕次(理研) | 「γ線バースト即時観測システム RIBOTS(RIken Bisei Transient Seeker)」 |
川端哲也(美星天文台) | 「RIBOTS検出天体のフォローアップ分光システムの提案」 |
世話人
濤崎 智佳、中道 晶香、衣笠 健三、田口 光 (ぐんま天文台)