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史上最も明るいIa型超新星爆発 -これまでの限界を超えた超新星の発見-

広島大学かなた望遠鏡、ぐんま天文台150cm望遠鏡をはじめとした国内中小口径望遠鏡を用いた観測によって、これまでで最も明るいIa型超新星爆発をつきとめました。ぐんま天文台では、150cm望遠鏡とGLOWSを用いた分光観測を行いました。

SN 2009dc

東広島天文台かなた望遠鏡で撮影された史上最も明るいIa型超新星SN 2009dcの画像(2本の線で示されているのが超新星)。

Ia型超新星は、白色矮星と呼ばれる非常に密度の大きな星が起こす大爆発と考えられています。今年4月に発見された超新星「SN 2009dc」について、広島大学かなた望遠鏡、ぐんま天文台150cm望遠鏡などの国内の中小口径望遠鏡などを用いて大規模な観測を行いました。その結果、この超新星が太陽の約80億倍の明るさを放つ、史上最も明るいIa型超新星であること、さらに、その正体が「限界」を越えた質量をもつ白色矮星の爆発であることを突き止めました。これまで、Ia型超新星はほぼ一定の明るさをもつことから、遠方宇宙の距離指標として用いられてきましたが、今回発見された「限界」を越えたIa型超新星の存在は、宇宙膨張における研究の基礎に関わる問題であり、今後の研究に大きなインパクトを与えるものとなります。 なお、これらの結果は9月14〜16日に行われる日本天文学会2009年秋季年会にて、ぐんま天文台の他の研究成果とともに発表されます。

ぐんま天文台150cm望遠鏡とすばる望遠鏡によって得られたスペクトル(黒線)と比較のために用いた他の超新星のスペクトル(緑、赤線)。日は最も明るかったときを基準としています。CIIは一階電離した炭素を示し、放出物に大量の炭素があることを示しています。これは、他のIa型超新星にはあまり見られず、爆発をした白色矮星が非常に大きかったことを示唆する結果です。 spectra of SN 2009dc