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図1は、かに座領域の系外銀河NGC2608に現れた「超新星SN2001bg」の画像です。ぐんま天文台の65cm望遠鏡にとりつけられた小型低分散分光器を活用し、超新星が発見されてから約39時間後に世界で初めて、そのスペクトルを取得することに成功しました。
この超新星SN2001bgは、イギリスのアマチュア天文家T.Boles氏が日本時間で5/8午前8時頃にNGC2608に発見したものです。発見当時の明るさは約14等でした。この報告は国際天文学連合回報(IAUC)7621号にて発表されました。この報告を知った九州大学の山岡均氏の要請 によってぐんま天文台へ検証観測があり、22時時頃ようやく雲が切れ、この超新星の分光観測を行うことに成功しました。
取得したデータの解析を行った結果、図2に示すグラフができ、鉄(Fe)や硫黄(S)、硅素(Si)などの幅の広い吸収線が見られました。これらの吸収線のあること、水素やヘリウムの吸収線がみられないことから、「Ia型」と呼ばれる超新星であることがわかりました。
この結果は、5月11日(日本時間では12日)にはIAUC7622号にて世界中の天文学者たちへと発表されました。世界に先駆けて、ぐんま天文台で超新星SN2001bgの正体を明らかにできたのです。
Ia型の超新星ならその最大光度はほぼ同じであることがわかっているので、この超新星は最大12等級まで明るくなる可能性があります。
超新星とは星の進化の末期に起こす大爆発で、その明るさはひとつの銀河と同じくらいの明るさになります。今回の超新星の出現した銀河NGC2608は約1億光年の距離にある銀河で13等の明るさです。この超新星が銀河と同様の明るさになっていることが図1を見るとわかるります。(5/11に撮影)。
Ia型超新星の絶対光度はほぼ決まっているので、その超新星がどれくらいの明るさに見えるかによって出現した銀河までの距離が測られることもあります。