CMOSカメラでみる宇宙

Last update: 2020年8月

この数年普及してきたCMOSカメラ。このカメラを使うとどのような宇宙がみえてくるのでしょうか。 これまでにも 65cm望遠鏡に搭載した動画を公開してきましたが、カメラが搭載できるのは 大型望遠鏡だけではありません。 ぐんま天文台にある多彩な望遠レンズや広角レンズによって可能になる多彩な宇宙のショット。 その可能性の全貌は当初は全く予想もしていなかったものでした。このページでは、 CMOSカメラによってはじめて切り開かれた動画による宇宙の姿をシェアしていきたいと思います。

当面、画像を優先的にアップしていきますが、順次、画像をみるポイントや撮影時の状況も 追記していきたいと思っています。また、このページは、スマホにも対応しますが、 広い画面でご覧いただくのがより適しています。

2020年5月31日

こと座星座線
固定したCMOSカメラと望遠レンズ(85mm/1.4)によること座近辺。 チャレンジはこの日から始まりました。明るい天体から始めるのは観測の鉄則です。 そして、こんな時期にもう七夕の星は昇って夏の準備していることも映像にしたくて、 この選択となりました。肉眼では「こと座」=「ベガ(織姫星)とその近くの平行四辺形」 というのがだいたいの感じですが、思った以上に暗い星もよくうつっている一方で、 うつり方に明るさの差がなく、どれが平行四辺形なのか、実は自信ないまま撮っていました。 動画最後になってようやくこと座が画面右半分に全貌を現します。 リング状星雲M57は非常に小さいですが、最後にはなんとか右下に映っているので、 星図も参考に探してみてください。

木星のあとを追うように昇ってくる土星。レンズは85mm/1.4の望遠レンズです。 上弦の月で空が明るく、南の低空を雲が流れていて、あきらめはじめていたところでした。 観望会でも見られる時期がもうすぐやってきます。 次こそは快晴の中を泳ぐ木星土星をとりたいものです!

2020年6月9日

待つこと一週間、ようやく晴れ間が巡ってきそうな予報だったので、 この日は広角レンズ14mm/2.8で木星と土星の出にトライしました。 天体の「出」の場合、いつどの方角から昇ってくるか確信はないので、果たして視野に入ってくるのか 準備中は不安なものです。この日も最初は南低空には雲があり、人間の目にはかすかでしたが、 その雲を通しても木星の光はカメラには元気に届いてきました。しばらくして土星が続きます。 これで、完全とはいえないながら、ようやく昇るところをとらえることができました。 最後に少し山の背景が明るくなるのは月が地平線からあがってきたからです。 人間の目ではほとんど気が付かない程度ですが、カメラは逆にこういうところも敏感です。 もう少し撮り続けたかったのですが、こうやって木星土星が見えるなら、 望遠鏡でも撮影しようということで、カメラはこのあと65cm望遠鏡に移動しました。 その結果がこちらです↓。

木星は二本の縞模様は健在ですが、大赤斑は今日も見えませんでした (65cm動画ギャラリーの過去の木星の映像参照)。昇ってきたばかりでシーイングはよくありませんが、 土星はカッシーニの間隙も見え、本年のファーストライトとしてはまずまずといった感じでしょうか。