「ケンタウル露をふらせ。」
ケンタウルス座は、本州以北では見えない星座です。
ケンタウルス一族の住むぺリオンは薬草の産地であり、一族の賢者ケイロンは大自然の恵みの神と崇められていました。
「露」は大地の恵み、癒しの露を指しています。別な考えとして、賢治は敬虔な仏教信者だったので、儀式のときに降らせる「紙ふぶき」を意識していたとの説もあります。
- ケンタウルス座の α 星は、太陽以外の恒星としては最も地球に近い恒星です。その距離約 4.4 光年、三重星です。主星は「G2V」で、太陽とほとんど同じ大きさの主系列星です。伴星は「K1V」と「M5.5V」です。
- 星までの距離を計る方法の一つに「年周視差」があります。比較的近く、せいぜい数百光年以内の天体を対象にします。原理は三角測量で、地球が公転する円の直径を底辺とするとき、目標天体を頂点とする三角形ができます。この三角形の辺の長さを実際の数字で計算するのです。
- 天文学では、この年周視差が 1 秒角(3600 分の 1 度)になる距離を「1 パーセク」と言う単位で呼びます。約 3.26 光年に相当します。
- ケンタウルス座の α 星(α Cen、アルファケンタウリ)は 1 パーセクより少し遠いので、見かけの位置が半年で 0.7〜0.8 秒角動くということになります。
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