大河に写る天の川

下流の方は川はば一ぱい銀河がおおきく写ってまるで水のないそのままの空のように見えました。

銀河鉄道から降りたジョバンニが見た光景です。

北上川に写る天の川を賢治が見たころは、大きな橋や街灯もなく、きっと写真のように、「白い川」と共に、暗黒星雲もはっきりと見えたことでしょう。

科学の目
  • 将来、科学技術が進歩して、宇宙旅行が可能になったとしても、現在の物理学や技術の発展だけではせいぜい太陽系の近傍きんぼうの惑星くらいの範囲しか考えられません。燃焼の反作用による推進力では出せるスピードに限界があり、別の推進方法が分かったとしても、アインシュタインの相対論などが示す事実が障害となります。
  • たとえば、光速の 90 パーセントのスピードを持つロケットが開発されたとして、それで、近くの恒星系、α ケンタウリ(4.4 光年)に旅をしたとしましょう。地球で見ていると、往復にかかる時間は 4.9 年×2 = 9.8 年となります。しかし、その速度のロケットの中で宇宙飛行士が費やす時間は約 8 年です。約 2 年、飛行士は地球の人に比べて若返ります。宇宙飛行士との会話の声も少し低音になります。この計算で、もし、光の 99 パーセントで旅行すると、地球では 10 年たっているのに、ロケット内は 1.4 年しかたっていません。このスピードで 14 年間旅行して帰還すると、地球では 100 年がたち、まさに「浦島太郎」になってしまいます。
  • この理論は実際は成り立たないとする考えもありますが、計算上はこんな「特殊相対論的効果」があるのです。
大河に写る天の川